モルトウィスキーって何?その定義と製造方法について語ってみました
今日はモルト・ウィスキーとは何ぞや?という方のために、モルトウィスキーの定義と製造方法について詳しく説明してみました。
モルトウィスキーの定義
モルトウィスキーは、大麦だけを用いて作られるウィスキーになります。製造方法にも特徴があって、大麦麦芽を乾燥させた後に、スモークの香りをつけ、単式蒸留器で2回蒸留が行われます。
モルトウィスキーは香りが強く、濃いめな味を持っています。ラウド・スピリッツという呼ばれ方をされる場合もあります。
モルトウィスキーの製造方法
モルトウィスキーは、通常以下の5つのステップを踏んで作られます。
・大麦麦芽を乾燥させる
・麦芽を発酵させる
・蒸留を行う
・熟成させる
・ブレンドする
以下で各工程について詳しく説明します。
大麦麦芽を乾燥させる
モルトウィスキーに使用する大麦は、タンパク質が少なくでんぷんが多い二条大麦。大麦は水につけて乾燥させるという事で発芽します。
発芽した大麦は、ある程度成長した段階で熱風をあてて発育をストップさせます。これがいわゆるモルト、大麦麦芽と呼ばれるものです。
大麦麦芽を乾燥させる際は、ピートを燃やして香りづけをします。ピートとは水性商物を炭化させたもの。これによりスモーキー・フレーバー(ピート香)が大麦麦芽につきます。
このような香りづけが行われるウィスキーは、、ジャパニーズとスコッチのみとなっています。
麦芽を発酵させる
今度は香りづけされた麦芽を糖化させます。細かく砕いた麦芽に60~80度のお湯を入れると、麦芽の中にある糖化酵素がでんぷんを分解し、甘い麦汁を得ます。この過程がいわゆる糖化と呼ばれるものになります。
この麦汁を綺麗にろ過し、酵母を加えて2、3日発酵させると、アルコール分6%程度のウォッシュと呼ばれる液体が完成します。
蒸留を行う
出来上がったウォッシュは単式蒸留器を用いて2度蒸留されます。単式蒸留器は銅で作られており、これにより液の香りを穏やかにします。
また、蒸留窯を直接火にかける製造法では、ローストした香りがつき、味に厚みのあるウィスキーになります。
1度目の蒸留により得たアルコール度数が20%ほどの液体は「ローワイン」と呼ばれます。一方、2度目の蒸留で始めと終わりの蒸留液を取り除いたものは「ニュー・ポット」と呼ばれます。
これは、70度近いアルコール度数を持ち、モルト・ウィスキーの原酒になります。
熟成させる
ホワイト・オークで作られた樽の中に入れられたニューポットは、無色透明からウィスキーの特徴的な色へと変貌します。
熟成樽には、バーレル、シェリー・ハット、パンチョン、ホグスヘッドといった種類があり、樽の大きさによって容量当たりの樽の表面積が変わり、熟成スピードが変化します。
この熟成期間中に蒸発したお酒は「天使の分け前」という洒落た名前が付けられています。
7~8年ほど樽の中で熟成されたウィスキーの原酒は、樽の隙間から入る空気により酸化され、香りのよい成分が出来ます。また、樽材の成分が原酒の中に溶けだし、これもモルトウィスキーの特徴的な香りや味の要因になります。
ブレンドする
樽によって微妙に味が異なるので、モルトウィスキー同士を混ぜ合わせるという事を行います。この操作は「ヴァッティング」と呼ばれ、これにより味や風味のバランスが良くなります。
このように製品化されたものを「ピュア・モルト・ウィスキー」と言います。特に、一つの蒸留所の中で作られたピュア・モルト・ウィスキーは「シングル・モルト・ウィスキー」と呼びます。
以上モルト・ウィスキーの解説でした。
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